ゴー宣DOJO

BLOGブログ
泉美木蘭
2017.5.20 06:02

加計学園は「アベノミクス」の「教育ビジネス」です

産経新聞「産経妙」で加計学園問題についてこんなことが書かれている。

▼文科省を説得して規制を突破したかった内閣府による名前利用なのか、
文科省による忖度なのか、そもそも「怪文書」(菅義偉官房長官)なのか
は判然としない。仮に蓮舫氏の指摘通り忖度だったとして、忖度されたら
責任を取れという理屈は理解できない。

頭にはてなマーク「?」がいっぱいついたんだけど…
「内閣府による名前利用」って、内閣府の長は内閣総理大臣なんだから、
内閣府が内閣総理大臣の名前を利用したら、それは明確な「総理の意向」
なんじゃないの?
全然意味がわからないんだけど…それとも、内閣府ってそんなに統制とれ
てない勝手な奴らで、内閣総理大臣は神輿に担がれてるだけって言ってるの?

文科省は、文書の存在を確認できないと言い、これ以上の調査は必要ない
といきなりシャットダウンしているけど、これこそが「総理のご意向」の
存在を示す「忖度」でしょ。

<総理のご意向を示す文書が漏れてしまった、ヤバい。
そんな文書は見つからないと言い切らなければならない…>

・・・つまり、
「総理のご意向があったことは隠せよ?」という総理のご意向
への忖度
でしょ?
むろん、あの文書が報じられてから、裏では「総理のご怒号」が飛んで
いるかもしれず、忖度などではなく、明確な「命令」の可能性も高いの
だけど。

菅官房長官も、調査前から「怪文書」と断定したこと自体がおかしい。
都合の悪い文書はもみ消す気満々だという体質を露呈したに過ぎないの
だから。

だいたい、獣医学部の新設には、日本獣医師会とともに、
自由民主党獣医師問題議員連盟が反対していた。その会長は麻生太郎だ。
競争原理、市場原理、経済原理に終始して規制緩和し、安易に獣医師を
増やすのは良くないと言ってきたのだ。
それが、安倍首相の名を冠した「アベノミクス」の「成長戦略」で全て
押し切られてなし崩しにされているのが、加計学園問題なのである。

獣医学部の新設に向けて非常に熱心に準備をしていた京都産業大学には、
鳥インフルエンザ研究の世界的な権威が在籍し、専門の研究センターも
開設している。
にもかかわらず、関西にはすでに獣医学部があるからという理由で認可が
下りなかった。

「鳥インフルエンザ、パンデミックの危機」を煽って獣医学部を新設する
のならば、加計学園とは雲泥の差の、京都産業大学に任せるほうがはるか
に有益なのだ。

それなのに、安倍首相のお友達が理事長をつとめる加計学園だけが新設
できるように、安倍首相が主導権を握って振り切っていった。
ペットブーム、鳥インフルエンザブームにのって獣医学部入学者が増える
と儲かるから??

加計学園問題は、安倍晋三が、自分の友人の展開する「教育ビジネス」を、
「アベノミクス」でサポートしているという極めて私的な、公権力の濫用
なんだからね!

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

次回の開催予定

INFORMATIONお知らせ